夜空に咲く僕たちの願い



基本、俺と瑠花は再生中に話したりはしない。
お互いその映画の中に入り込むからだ。
だけどこの日だけは違った。
そのきっかけはラストひとつのお菓子だった。
残りひとつという時に俺が食べてしまったのだ。

それを見ていたら瑠花が文句を言う。




「あー!瑠花が最後に食べようとしてたのに!」




「早い者勝ちですよ、こういうのは」




こうにやりと笑って瑠花を見る。
瑠花は言葉で伝わるようにやはり怒っていた。
口をへの字にして俺を睨んでいる。


そんな顔したって無駄だよ。
だって食べちゃったもん。
もう胃の中で消化されたよ。




瑠花から視線を外してグラスに入ったオレンジジュースを一口飲む。
再び瑠花を見るとまだ口はへの字だった。




「そんな怒るなよ。また買ってやるから」




「許さない!」




おいおい…許さないって。
そんなに食べたかったの?
感想なら言えるよ。
「美味しかったです」って。