すると母さんは俺を凝視した。その瞳が今まで見たことのないくらい怖くて。
血走っていた。
目の下にはクマが出来ていた。夜勤明けだから疲れているのだろうか。
俺には人の心を読む力なんて存在しないから…母さんが考えていることなんて分かるはずもなかった。
「…俊介には血液型はないのよ。何でいきなりそんなことを聞くの?」
「気になってさ…。今日友達ん家で血液型占いしようとしたとき気付いたから…本当にないの?」
「………ないわよ。調べてないの。調べるの嫌だったから。夕飯にするわよ。電気…消しといてね」
母さんは静かに理由を述べて、キッチンに足を運んだ。
先ほどこの部屋にぽつんといたのは母さんだったのに、いつの間にか俺に代わっていた。
母さんの言葉に腑に落ちない。納得なんて出来るわけなかった。
でも考えるのはやめよう。
そんな深い理由なんてないはずだ。
それに今日は最高の日。
だけど…
最高のそれ以上なくて…
あとは堕ちていくだけなんだ。
幸せは一瞬で―…
…悲劇はクリスマスの時期に起こった。
時間が過ぎていく。
幸せな日々は一日が過ぎるのが早くて。
この幸せが続くと自惚れていた俺を誰か救ってください。
あの日、あの時。
泣きながら「死にたい」と思った。
でもそれは、あの日、あの時の一回だけで。
今は笑って夜空を眺めている。


