あの時に言った渓斗の言葉が今ようやく分かったよ。
そういうことだったんだね。
渓斗は俺が悲しまないように黙っててくれたの?
もし俺に権力があったのなら、俺は世界を敵に回したって瑠花を幸せにしたのに―…。
もう…遅いよな―…。
瑠花は一瞬俺から目を反らしてもう一度見た。
その眼差しは真剣で。
何の迷いもなかった。
この時「二人で逃げよう」なんて言ったら瑠花は頷いてくれたかな。
ごめん…嘘だよ。
「…分かった、秘密ね?」
「ありがとう。…いつか言えるときが来たらちゃんと言うよ。だから手を繋ぐのはここまで。ね?」
「しょうがないなぁ。でも両親に秘密にする恋愛ってなんか燃えるね」
「少女マンガの読みすぎじゃない?」
瑠花の言葉に笑ってしまう俺。まさかそんな発言するなんて。そう言った本人は目の前で照れてるし。
なんだ、瑠花も照れることってあるんだ。
「なに照れてんだよ」
「照れてないよ。こっち見ないで」


