二人で歩き慣れた道を歩いていく。
マンションまであと少しの距離。
頭の中であることが過った。
それは入学式のとき言われた母さんの言葉。
―…瑠花ちゃんと何もないわよね?
あの時の母さんの表情は暗かった。
なぜこんなことを聞いたのか。瑠花が嫌いなのか。それとも他に理由があるからか。
それともう一つ。
自分の血液型だ。
俺の血液は一体どうなっているのだろう。
母さんに聞いたら教えてくれるだろうか。
でも瑠花と両想いになったことは言わないほうがいい。
言ったらきっと「別れなさい」って言うだろうから。
マンションの入口の前で俺は歩くのを止めた。
それに気づき瑠花も歩みを止める。
「どうかしたの?」
「あのさ…お願いなんだけど…。俺と瑠花のことは母さんには内緒にしたいんだ」
この幸せを続かせるためには秘密にしておくしかない。
そう、未熟な俺の出来る限りの反抗だった。


