夜空に咲く僕たちの願い



瑠花と手を繋いで歩いた道は、外灯がなくたって明るく輝いていた気がする。
好きな人が隣にいて、温もりを感じて呼吸をして、そんな些細なことでも世界は一瞬にして輝く。
今まで平凡すぎたのか。
こんな明るい世界…見たことないよ。
これも瑠花のおかげかな。


とくん、とくんと鼓動が鳴る。速くなったり遅くなったり。
ちらりと瑠花を見ると彼女は笑っていた。
何がそんなに嬉しいのか分からないけれど可愛い顔をしていたから許すかな。
俺はこんなにも緊張してるのに。
瑠花は緊張していないの?
えっ俺だけ?
そんなの嫌だよ。
瑠花もこの緊張を味わってよね。




「なぁ…瑠花さ。入学式のとき言ってたじゃん?恋愛をしたいって。あれって…俺のこと?」



なんてね。
ちょっと意地悪をしてみただけ。
瑠花の反応を見たかったから。

すると瑠花は俺を見上げてこう言う。





「そうだよ?俊介は鈍感だから分かるわけないよね。気付くの遅いよ?」