夜空に咲く僕たちの願い



今日は素敵な日になりました。翔太ありがとうな。
このこと、渓斗に報告しなくちゃ。
きっと驚くだろうな。
いつ言おう?やっぱり帰ってからかな。



静かなこの空間に、瑠花の携帯電話の音が加わった。




「あ、ママだ。帰らなきゃ。何も言わずに出てきちゃったから」




「じゃあ帰ろっか。冷えてきたし。そんな格好してたら風邪引くよ」




「呼び出したのは俊介でしょ?これで許してあげるから。んっ!」




瑠花はそう言って右手を俺に差し出した。
え?意味が分からないんですが…
別れの握手?でも俺たちの住んでる場所一緒だしな…
その手の意味は?




「なに、それ?」




「もー!!何も分かってなぁい!こういうときは彼氏がさりげなく彼女の手を握るんでしょー!?本当俊介って乙女心分かってないんだから!!」




「つまり手を繋ぐってこと?俺って瑠花の彼氏?」





「当たり前でしょ。俊介は瑠花の彼氏で瑠花は俊介の彼女。早く!手!」




瑠花が俺の彼女。
幼なじみから彼女へレベルアップ。
何だかいい響きに酔いしれる。俺は緊張しながら瑠花の手に触れる。




「宜しい!」




どうしよう。
瑠花がたまらなく可愛い。
そしてたまらなく愛しい。
気の強いところも、少しツンデレなところも。


全部…全部全部全部。




大好きです―…。