もしこの先の未来に瑠花という女性がいなくても、俺は瑠花のいる未来を描くよ。
神様が勝手に決めた未来を塗りつぶしてやるよ。
でも俺が選んだ道は、一番にお前のことを考えた結果だった。
「翔太ありがとうな!俺今から行ってくる」
「占いの結果は言うのはやめるよ。今言ったって俊介くんには伝わらないからさ。」
俺はカバンを持って出口へと足を進めた。
翔太といたら心が軽くなった気がする。
この無駄に広い部屋のおかげかな。
「玄関わかる?部屋を出て右に曲がって左に曲がったら部屋があるからそこを通り抜けて…」
「分かるわけねぇよ!案内しろ。」
「やっぱり?」
翔太は笑いながら俺を玄関まで案内してくれた。
やはりそこは迷路みたいであと2、3回来ないと覚えられないだろうな。
いや、10回くらい必要かもしれない。
「じゃあな、翔太」
「うん。応援してるから。また学校でどうだったか聞かせて。それまで楽しみにしてるから」
「はいはい。結果が良くても悪くても俺を褒めてな」
「ケロリンをプレゼントするよ」
そう言って人差し指にはめられたケロリンを見せる。
そいつは何だか嬉しそうだった。
俺は翔太に手を振って、勢いよく駆け出した。
ねぇ、瑠花。
俺はお前を独り占めにしたい。
そう言ったらお前は受け入れてくれますか?


