翔太の言葉にある疑問が浮かぶ。
―…俺の血液型は?
母さんから聞いたことも今まで調べることもなかった。
そしてあの時のことが甦る。
それは俺が小さいとき。
「輸血をお願いできませんか?」と街頭で叫ぶ人を見たときだった。
母さんに「あの人は困っているの?」と聞くとこう答えたのだ。
「俊ちゃんは出来ないのよ。血液型がないからね」
なぜ出来ないのかその頃は小さすぎて意味がわからなかったのだろう。
血液型はA型B型O型AB型がある。
たった四種類にも別けられない俺は何なのだろうとふと気付いてしまった。
血液型占いの本で気付くなんて今まで何をしていたのだろう。血液型を知らなくなって日常生活に困らないからかな。
体が硬直してしまう。
今俺の中で流れている種類はどんな血液なの?
そう考えたら気持ち悪くなってしまった。
もし目の前に瑠花が血を流して倒れていて、血液が足りないと言ったのなら俺は瑠花を助けられないじゃないか。
…そんなの嫌だよ。


