夜空に咲く僕たちの願い



我慢することはない。
我慢は自分をおかしくさせる。
だから泣きたいときに、
笑いたいときに思う存分泣こう、笑おう。
人間って意外と単純な構造なんだ。




「好きな人の恋愛を応援しないなんて男失格だろ?」





その次の瞬間、掛け時計の針が12を指してコミカルな音楽…ではなくオルゴールが鳴った。

ごくん、と唾を飲んでゆっくりと息をする。

響く、言葉。
俺の体に深く刻まれていく。




「…その言葉カッコいいな」




「へへっ、でしょ?僕カッコいいから…なんてね。俊介くんには感謝してるよ。本当なら今の高校に行きたくなかったけど僕ここしか受験してなかったし…それに俊介くんがいたから…満里奈とも仲良くなれたから」




「え?俺のおかげ?」




「だって去年は満里奈とは一言も話したことなかったんだ。でも今は話せてる。それは俊介くんが入学式のとき満里奈の生徒手帳を拾ったからだよ。だから今はここの高校で良かったって思ってるよ」




鳴り響く音楽は終わりを迎え再び部屋の中は静かになった。
翔太は俺がいたから満里奈と仲良くなれたと言った。
でもそれは100%俺のおかげではない。
翔太の性格もあると思うんだ。