「去年から…満里奈と知り合いだったの?」
「満里奈は僕のことは知らないよ。クラスも違ったし。僕の一方的な片想いだった」
そうだ。
満里奈は修平が家庭教師をやめてから塾に通っていたと言っていた。
その塾に翔太はいたということ?
なんだよ、その偶然。
「その時…知ってたのか?修平と満里奈のこと」
顔を覗き込むように翔太に聞くと小さく笑う翔太。
それを見てどこかで安心した。
笑ってる、笑顔は忘れたわけではないな。
「知ってたよ。満里奈に好きな人がいて好きな人のために今の高校を志望してたって。その話が…好きになった理由だから」
「好きな人がいることを知ってたのに…好きになったのか?」
「うん。一生懸命で可愛いなぁって。それで僕も今の高校にしたんだ。志望理由が好きな人と一緒がいいからって理不尽だよね」


