翔太の言っていたことは当たっていた。
とにかく広い部屋に広がるのは本や雑誌、そしてたくさんのクッション。
一言で言ったら汚かった。
やはり翔太の言ったことは間違っていなかった。
壁に付けられてボージョボ人形が俺を出迎える。
「…なにこいつ」
それは黒いボージョボ人形。
一見甘栗に見える。
「あぁ、それ?サイパンのお土産。前にもらったんだ」
「何でここに飾ってあるわけ?」
「知らないの?その人形願い事を叶えてくれるんだよ」
そう翔太の言葉を聞いた俺は「本当かよ」と心の中で呟いた。視線を床に落とすとあることに気付いた。
床に広がる雑誌の数々は、占い関係のことばかりだった。
正座で分かる相性占いとか、血液型で分かる性格判断とか。
翔太は何のためにこの雑誌を読んでいるのだろう?
満里奈のため?
自分のため?


