シャッターで隠れていた家の中身は“すごい”の一言では済まされなかった。
広がる庭園に、整えられた木々。
小さな池にはちゃんと橋が架けられていてきっと鯉などが優雅に泳いでいるのだと想像がつく。
すると奥の方から部屋着姿の翔太が出てきた。
でもやはりその表情はちゃんと生きていなくて。
目は死んでいたと思う。
昨日のことを引きずっているとオーラで読み取れた。
だけど俺は「大丈夫?」なんて声はかけない。
いつも通りでいよう。
「よ!お前ん家でかいな。まじで驚いた」
「違うよ、これはじいちゃん家。じいちゃん資産家だから。上がってもいいけど僕の部屋汚いからね」
そう言って俺を部屋に案内してくれる。
どこまでも続く廊下。
翔太は部屋が汚いと言ったけれど絶対綺麗なはずだ。
使用人とかいそうだし。
翔太を見失ったら帰れなくなりそうだ。
それだけ広い敷地だった。
そして翔太が案内した部屋に踏み入れると違う意味で驚いてしまう。


