今日は勝てる気がしたんだけど、ダメだった。
それは絶対渓斗のせいだ。
渓斗がいきなり変なことを言うからこうなってしまったんだ。
俺はゲームオーバーになったゲーム機をベッドに投げ捨てて勢いよく体を起こした。
「い、いきなり何言い出すんだよ!!べ…別に俺は瑠花のこと好きじゃねぇし…」
布団をぎゅっと握り気持ちを落ち着かせる。
体は熱いし、変な汗掻いてきたし、この状況に耐えられないし、どうしたらいいんだよ。
「素直になれよ、俊。お前の行動とか見てたら誰だって分かるよ」
「何でだよ!!証拠はあんのか!?」
「俊介の顔だよ?」
上目遣いされたって騙されないぞ。
俺の顔のどこに「瑠花が好き」って書いてあるんだよ。
俺は眉間に皺を寄せて、姿見の前に立った。
「…顔真っ赤じゃん!!」
「お分かりですか?俊介くん。」
う……嘘だろ!
今まで必死になって隠してきたのに…まじかよ。
「じゃあ渓斗は俺が瑠花を好きだって気づいてたんだ?」
「そーですよ?」


