夜空に咲く僕たちの願い



修平は俺が翔太の住所を聞いた理由を聞かなかった。
彼は気づいているだろうから。翔太があの時逃げ出した理由を。
気づいてしまったから何て言っていいか分からないのだろう。


「職員室に来てくれないか?」


「分かった。」





俺は修平のあとを追っていく。俺より少し背の高い修平。
すれ違う生徒たちに「さようなら」と別れの挨拶を言われていた。
それに応えていく修平に満里奈はヤキモチとか妬かないのかなと思ってしまう。


ルックスもよくてみんなから人気があって。
マイナスなところなんて無いんだろうな。



職員室に着き、修平のデスクに向かう。
机の上をふと見ると携帯電話が置いてあった。
黒いスライドケータイ。
それに付けられていたのはウサギのストラップだった。


まさか修平がウサギのストラップなんて…と思ったとき「満里奈からもらったんだ」と解釈する俺がいた。



やっぱり二人は付き合ってるんだな。
心のどこかでまだ嘘だと思ってるってことかな。