写真の中に写るのは、俺と母さん、渓斗の両親、そして瑠花の両親だ。
何年か前に三家族でキャンプに行ったときのもの。
その写真が俺は大好きで今でも飾ってある。
「うん、その写真好きだからさ。」
ついに来ました、ボスの場面。昨日は右から攻撃したから負けたんだ。
今日はジャンプして上から攻撃しようかな。
こう心の中でシミュレーションしている時だった。
「この頃から瑠花のことが好きなの?」
…え、渓斗さん?
今なんて言いました?
一瞬時間が止まった気がした。なんて言われたのか理解出来なかった。
ボタンを押す手が止まる。
ゆっくりと視線をゲーム画面から渓斗の方に向けると、怪しい笑みの渓斗が立っていた。
「へ?」
「俺が気づいてないとでも思ったわけ?何年俊介と一緒にいると思ってんだよ。」
「…え?…ええ??」
ゲーム画面が変わる。
浮かび上がる文字は、
“GAME OVER”


