夜空に咲く僕たちの願い



「…そうなんだ…、翔ちゃん…あそこでバイトしてたんだね。」



たまに思う。
瑠花の演技は満点以上だと。
言い換えたら嘘がうまいってことだけれど…テレビに映るアイドルから女優に転向した芸能人より上手いんじゃないかな。

これ、褒め言葉だよ。



満里奈の視線が徐々に下がっていく。
俺は相変わらず何も言わない。今ここで満里奈に何かを言ったら責めの言葉しか出ないと思うから。

「何で修平と?」
「翔太の気持ち考えろよ」
「いつから付き合ってるの?」


ほら、やっぱり。
浮かんでくるのは大人気ない言葉だけ。
ここは我慢をして満里奈の話をちゃんと聞こう。
きっと瑠花が俺の聞きたいことを聞いてくれると思うから。




「満里奈は…いつから先生と?」



「…実はね、修平くんは…」




満里奈は先生のことを“先生”なんて呼ばないんだね。
お互いを名前で呼び合える仲なんだ、と改めて気づかされる。