翔太…悪い。
俺が興味本意で探ってしまったんだ。
でも予想外だったよ…
例えるならゴールだと思ったらダミーのゴールのよう。
勢いよくゴールしたつもりだったのにまた始めからやり直し。
なんか悔しいよ。
今日見たことは無かったことにしよう。
それが一番だ。
喫茶店に来てから何分経っただろうか。
掛け時計を見ると17時前だった。
満里奈と修平はお喋りに夢中。
俺は放心状態のまま。
心はどこに行ってしまったのだろうか。
「今日のことは翔太には言わないでおこうね。翔太…泣いちゃうから。」
瑠花はそう言って俺を見つめる。
瑠花もどこか悲しそうな表情をしていた。
「そうだね。そろそろ…行こうか…」
机に置いてあった伝票を取り、スタッフの人を手招きする。
さすがにレジまで行ったら二人にバレてしまうから。


