夜空に咲く僕たちの願い



ここからでは二人の会話の内容までは聞こえてこない。
だけど表情で読み取れる。
二人から放たれる空気がピンク色だった。


首を噛みしめて、俺は二人に背を向ける。



「…俊介?」




「こんなことなら来なければ良かった」




「やっぱり朝のことは本当なの?満里奈と付き合うって。だから満里奈のこと尾行したのね?」




目の前には何を誤解しているのか、勝手に話を進める瑠花。
俺はコーラを一気飲みをする。グラスに残ったのは溶けた氷と輪切りのレモンだけ。




「違うよ。俺は満里奈とは付き合わないって。俺がここに来た理由は翔太のためだよ」




「翔太のため?何でよ?」




首を傾げる瑠花の頭の上には、?マーク。
やっぱり鈍感の瑠花には分かるわけないか。





「翔太は満里奈が好きなんだ。翔太に協力してあげようと思って尾行したんだけど…まさか彼氏が修平なんて…予想外だよ…。このこと…翔太に絶対内緒だからな?」