「どうかした?」
「満里奈の彼氏…かも…」
瑠花はそう言って飲んでいたアイスティーのグラスを机の上に置いた。
俺はその言葉に釣られるかのように、ゆっくりと満里奈のいる方へ振り返る。
広がる光景に言葉を失った。
残酷だよ、残酷すぎる。
嘘だろ?嘘だと言ってよ。
喉に何かが込み上げてくる違和感があった。
これは涙なんかじゃない。
悔しさだよ。
脳裏に翔太の照れた顔が浮かぶ。
翔太は満里奈が好きで、そう今日言ってくれた…のに…
満里奈は彼氏がいて…
その彼氏が…
「ねぇ…俊介…。あれって…」
瑠花、それ以上言わないで。
これが夢の世界ではないと知ってしまうから。
目をぎゅっと閉じて、もう一度開く。
やはり夢ではなかった。
衝撃で何かが崩れ落ちていく。
「…俊介の担任の先生じゃない…??」


