夜空に咲く僕たちの願い



息を殺しながら後を着いていく。
満里奈が立ち止まると電柱に隠れて、道を曲がるときは背中を向けて。
これじゃまるで犯人を追跡する刑事じゃないか。
そういえばこんなシーン、サスペンスドラマであったな。



「満里奈…どこまで行くんだろう…」




「さぁ?さっぱりわからない…」



学校を出て30分は経っただろうか。
満里奈はひたすら歩き続けていた。
そしてある細い路地裏へ入って行った。
俺たちもそのあとを追うと、一軒の喫茶店があった。
店の名前は“星屑ぽけっと”

暗い細道にあるせいか、その喫茶店までも暗く見える。
本当に営業しているのか?と思わせるくらいそこには活気が無かった。


満里奈はその喫茶店に入っていく。
お茶でもするのか?
お茶くらいなら駅にだってカフェがある。
わざわざ30分以上かけてここまでお茶しにくるか?



やはり何かあるな。




「…瑠花、店の中行くぞ」




「え!?本当に?」