このことを考えていたらあっという間に放課後になっていた。
「渓斗、帰ろう?」
「悪い、今日は都内の図書館に行きたいんだ。ちょっと借りたい本があって。だから今日は一緒に帰れないから瑠花と帰って?」
渓斗はただそれだけ残し、教室から出て行ってしまった。
目の前では帰る支度をする翔太。
カバンにつけられているたくさんの缶バッチと猫のマスコットはすぐに翔太のものだと分かる。
カバンにでさえ性格が滲み出ていた。
「じゃあ、俊介くん。僕も帰るね。今日バイトだから。まったねー」
「あ、うん。じゃあな」
さっきまで暗かったのにいつの間にいつもと変わらないテンションに戻ったのか。
まぁ元気になったのならいっか。
確か翔太は学校の近くのカフェで働いてるって言ってたっけ。
今度遊びに行こう。
ふと廊下を見ると一人で歩いている満里奈の姿が見えた。
この時ある悪知恵が働いてしまった。
ちらりと教室のドアから廊下を歩く満里奈の姿を確認する。
やっぱり気になる…満里奈の彼氏ってどんな人なのだろう。
「…俊介、あんた何やってんの?」
すると後ろから聞こえてきたのは瑠花の声だった。
俺は瑠花の手を引き、俺の背中の後ろに隠れさせる。
「…な、なによ!いきなり!」
「しー!黙って。今から尾行しよう」
ターゲットは満里奈。
キミの秘密を教えてよ。
でもこの悪知恵が翔太を傷つけてしまったんだ。


