俺の口から飛び出した言葉は、俺の中で眠っていた言葉だった。
やっと瑠花に言えた。
好きな人の存在。
やはり驚いたのか瑠花は目を丸くして凝視していた。
出目金のようでちょっと笑えてしまう。
こんなこと言ったら殴られるんだろうな。やめよう。
「……え?好きな人?」
「うん。だから満里奈と付き合うなんて考えてもないし、満里奈は俺のことなんか好きじゃないよ。朝のは冗談だってさ。って聞いてるの?」
せっかく事情を話してるのに瑠花は上の空だった。
固まったまま何も言わない。
俺に好きな人がいるのがそんなにも珍しいですか?
ちょっとそれは心外だな。
「瑠花!おい!」
目の前でひらひらと手を振ってみるが反応はなし。
だめだ、完全に壊れたようだ。
「…俺にだって好きな人くらいいるよ…」
「…誰よ!瑠花の知ってる人?ねぇねぇ教えて?誰にも言わないからー!」


