先生の言葉を聞いて納得する俺。
「うん」と首を縦に振ると先生はその言葉の続きを話し始めた。
「例えば今こうやって立っていて、もしかしたら窓から野球のボールが飛んできたとしよう。立ったままの俺はそのボールに確実に当たる。でも数歩歩いたら?そのボールに当たらなくて済む。ほらな?こんな簡単なことで痛い思いしなくていいだろ?」
「まぁ、確かに。でもさ、歩いて当たったら?」
こう逆に質問をすると先生は俺を冷ややかな目で見た。
「せっかくいい話してるのにそんなこと言うなよ。その時はその時だ。ほら、チャイム鳴るから行くぞ」
「はぐらかした…」
そして数秒後、校内にチャイムが鳴った。
「俊介くん、おはよー」
「翔太おはよう。昨日はありがとうな。無事解決したよ」
「そっかー!良かったね。俊介くん、昨日のことは内緒だからね?」
翔太は人差し指を口元に当ててにっこりと笑う。
その指にはけろりんがついていた。
「約束するよ。」
そして俺は授業中、満里奈の言葉の意味を考えていた。


