心ってさ、自分の思っている以上に小さく出来ているんだ。
勉強のことで悩んで、恋愛のことで悩んで、友達のことで悩んで。
あれもこれもそれも悩んでいたら心は“重量オーバー”となって活動停止してしまう。
そうなるのはしょうがないこと。
時には心を休ませてあげよう。
心が休んでいるときは自分も休もう。
何も考えずにただベッドの上に横たわって、目を閉じて大きく深呼吸をしよう。
そうしたら心は回復するから。回復したら一つ一つ悩みを無くそう。
大丈夫、きっとね。
人間って意外と丈夫に出来ているから。
「もし俊介がいなかったら…」
すると渓斗は静かにこう言った。
俺は渓斗の隣に座り、その先の言葉を待つ。
「ん?なに?」
「…俺、死んでたかも」
「え………」
「俊介だから“死にたいって思ったことある?”って聞けたんだと思う。それで俊介だから俺のこと心配してくれて、家まで来てくれただろ?…俊介がいてくれて良かった」
やめてよ、泣けるだろ。
そんなこと言わなくていいから、もう“死にたい”って思わないでくれ。


