ボールペンで殴り書きされた文字たち。
渓斗は部屋の真ん中で小さく座っていた。
“どうして俺だけ”
“なんで生きてるの”
“死んだら楽になる?”
“俺なんか必要ないよね”
床に広がる文字たちは渓斗の心の声だった。
俺は言葉を失い、ゆっくりと息を飲んだ。
「渓斗……お前……」
「…俊介に分かるわけないよな。俺の気持ち…」
分かるわけねぇよ、当たり前だろ。
俺は渓斗じゃないんだから。
でも床に広がる文字たちは、悲しい内容の文字ばかり。
先ほどの翔太との会話を思い出す。
俺は決めたんだ。
渓斗の味方になるって。
紙切れを一枚拾い、俺はそれを思いきり破り裂いた。
「…こんなことしてもお前は何も変わらない。“なんで生きてる”って?そんなのお前が生まれてきたからだろ?“死んだら楽になる?”かって?なるわけねぇだろ!!!」


