翔太の過去の話が終わると俺たちはたわいない話で盛り上がった。
例えば好きな曲とか。
例えば好きなお笑い番組とか。
翔太の今まで付き合った人の数には驚いたな。
8人だってさ。
15歳で8人って…何て言ったらいいか分からなかった。
でも今まで以上に翔太という人間を知れた気がする。
夜の10時を回った頃、俺は翔太と別れて家に帰った。
でもその前にアイツにどうしても言いたいことがあったんだ。
俺は渓斗の家のインターホンを鳴らす。
中から顔を出したのは渓斗のお母さんだった。
「あら!俊ちゃん!どうしたの?」
「渓斗いる?」
「渓ちゃんなら部屋だと思うわよ?渓ちゃん、ご飯も食べなくてずっと部屋の中にいるのよ。どうしたのかしらね」
きっとお前は体を小さくして泣いているんだろ?
俺に頼ってくれればいいのに…
俺たちは家族だろ?


