夜空に咲く僕たちの願い



やばい…俺まで涙が出そうになった。
でもここで泣いたらダメだと思った。
翔太が素直に泣けないと思ったから。
ぐっと堪え、地面を見る。



「僕ね、思ったんだ。たとえ自分の味方が一人になってもその一人のために生きていこうって。だからもう自分で自分を傷つけるのはやめようって。でもこの傷は一生残ったままだけど…これを見て“もう逃げない”って思うようにしてる。だからさ…俊介くんはその友達の味方でいてあげてよ」





渓斗の心に病んだ傷を俺は救うことができるでしょうか。
でも渓斗は俺に言ってくれた。「ずっと俊介の味方」だと。
だから俺も渓斗の味方でいよう。
たとえその心の傷を知らなくても…
渓斗が言いたくないのなら言わなくていい。
俺は黙ってそばにいるから。




たったそれだけでいいんだ。
たったそれだけで人は救われるんだ。
何を俺は悩んでいたんだよ。



ただそばにいるだけで…


人は「頑張って生きよう」と変わるんだ。