夜空に咲く僕たちの願い



ちらっと翔太の横顔を見ると、外灯の光で反射するものがあった。
それは…涙だった。
翔太は自分の過去のことを思い出し涙を流していた。

俺は動揺なんてしなかった。
涙を流すことは決して恥ずかしいことではないと思っていたから。




「その人がどんな人かは噂で聞いていた。クラスの人気者で男女から好かれる人だって。僕と接点なんて無かったし、話しかけられて驚いた。その時僕はずっと一人でさ…なぜかそれから一緒にいてくれて。一回聞いたんだ“どうして僕と一緒にいるの?”ってそしたら…何て返ってきたと思う?」




「…うーん…と…」




「“俺が一緒にいたいヤツと一緒にいるんだ”って言われたんだ。そう言われたとき体が震えてさ…今まで我慢してた涙が一気に溢れて教室の中で大号泣。笑っちゃうでしょ?でも嬉しかったんだ。自分の存在が初めて誰かに認められた瞬間だったから」




「翔太………」