夜空に咲く僕たちの願い



翔太はそれだけ言い残して電話を切った。
モヤモヤとした気持ちだけが残る。
このモヤモヤを消さない限り今日はいい夢が見れなさそうだ。

俺は制服を脱ぎ、楽な格好に身を包んだ。
母さんに「ちょっとコンビニ行ってくる」とだけ言って家を飛び出した。



桜ヶ丘公園に向かう途中もずっと考えていたが答えはやはり見つからなかった。
それに気になることがもう一つ。
それは翔太の秘密とやらだ。

そもそも翔太に秘密なんてあるのか?



そう考えているうちに桜ヶ丘公園に着いた。
辺りを見渡すとブランコのあたりに人影があった。
外灯に照らされるその人は翔太だとすぐ分かった。




「翔太?」




「あっ俊介くん、わざわざありがとう。どう?ニューヘアー。似合ってる?パーマかけたんだ」



美容院に行ったと自慢した翔太の髪の毛はピンクブラウンに染まっていた。
そしてクルクルと楽しそうに跳ねる毛先。
翔太にぴったりな髪型だった。



「似合ってるよ。で?話ってなに?」