「え?」
俺がこう聞くと一気に翔太のテンションが下がるのが分かった。
声のトーンが少しずつ下がっていったから。
やっぱり驚くよな。
それは仕方ないさ。
俺も未だに驚いているのだから。
「今日友達に言われてさ。その時何にも答えられなくて…もしかしたらそいつは今まで悩んできたのかと思ったら何か自分が情けなくてさ…」
頭を掻き、天井を真っ直ぐ見る。
その瞬間目の前に映ったのは先ほどの渓斗の顔だった。
笑うこともなく、ただ俺を見つめる渓斗の瞳の奥に苦しんでいる渓斗がいたんだ。
もし今もそういう表情を持った渓斗がいるのだとしたら…俺は助けてやりたい。
『俊介くんの家ってさ、確か四丁目だよね?僕、今二丁目にいるんだけど、今から桜ヶ丘公園に来てくれない?分かるよね?』
「…あぁ、うん。分かるよ。でも何で?」
桜ヶ丘公園はここからあまり遠い場所ではない。
歩いて20分の距離だ。
でもなぜ翔太はここに?
『僕の秘密を教えてあげる。』


