早く答えを見つけないと渓斗がいなくなりそうな気がした。
死にたいって毎日思いながら生きていたら、もしかしたら自ら死の世界にいってしまうかもしれない。
それは明日かもしれないし、今日かもしれない。
嫌だ…嫌だ。
それだけは絶対に止めなければ…
そんなときカバンの中で眠っていた携帯が激しい音楽を鳴らした。
最近流行りの洋楽ソング。
この曲は着信だ。
出たくはなかったけど、あまりにも曲が再生されるため仕方なく電話にでた。
『もっしもーし!僕!翔太!さぁここで質問です。僕は今どこから帰ってきたでしょーか?』
耳元で騒ぐのはテンションの高い翔太だった。
携帯を耳から若干離し、翔太が落ち着いてくれるのを待つ。
「…翔太」
『はーい時間切れ。正解は美容院でしたぁ!髪の毛染めてきたんだぁ。春らしくピンク系にしたんだよね』
誰かに―…答えを―…。
「翔太ってさ、死にたいって思ったことある?」


