どくん…どくんと鼓動が速くなっていく。
渓斗はそう言って自分の家に入っていった。
俺はその場に立ち尽くす。
渓斗が先ほどいた場所に視線を落とし、ただぼーっと立っていた。
何も考えられなくなった脳。
しばらく思考停止。
なぜ渓斗はいきなりあんなことを聞いてきたのだろう。
死にたいってなに?
毎日死にたいって思って生きてるって…どういうこと?
そんなこと今まで言ったこと無かったじゃねぇか。
いきなりどうしたんだよ…。
「渓斗…」
ドアに向かってこう言うけれど当たり前に返事はなかった。
渓斗が見せた心の闇。
SOSのサインに俺は気づいてあげられなかった…。
しばらく立ち尽くんでいると「俊介?」と聞き慣れた声が聞こえてきた。
ゆっくり視線を上げるとそこには不思議そうな表情の母さんがいた。
「なにやってるのよ、こんなとこで。家の中入ればいいじゃない」


