「え……」
ひゅうっと春風が通り抜けていく。
今日はやけにその風は冷たかった。
このアスファルトの壁のせいだろうか。
それとも俺を見つめる渓斗の瞳のせいだろうか。
じっと見つめて渓斗はそれ以上言わなかった。
渓斗の瞳の中で揺れる俺の姿は確実に動揺をしていた。
ごくんと生唾を飲み、何て返事をしようか考える。
でも何て言ったらいいか分からなかった。
こんな質問されたのは初めてだからだ。
それと…俺は死にたいなんて思ったことがなかったから…
だから返事に困っているのだ。
どうしよう…
どうしよう、と考えていると渓斗が口を開いた。
「…冗談だよ…」
「……え……」
「うそ。これも冗談。俺さ、毎日死にたいって思って生きてるんだ」
「けい…と?どうしたんだよ…いきなり…え…何?」
「…いや、何でもないよ。ただそう言っておきたかっただけ。じゃあまた明日」


