がたん、ごとんと揺れる車内。静まりかえる車内で瑠花の言葉だけ鮮明に聞こえてきた。
思わずごくん、と生唾を飲んでしまう。
そうやって語る瑠花の横顔が走り去るネオンの光によって余計綺麗に見えたからだと思う。
あの手の感触がゆっくりと甦る。
「そう…だね」
これ以外言葉が見つからなかった。
何て言っていいか分からなかったから。
そしてそのまま電車は俺たちの街まで…。
マンションに着き、瑠花に「また明日」と言う。
冷えたアスファルトの廊下に俺と渓斗。
そういえば渓斗は百々花さんといるときから口数が少ない気がする。
元々口数が多い方ではないが、今日はとくにだった。
「渓斗、どうかしたか?」
心配になった俺は、渓斗の家の玄関でついに聞いてしまった。渓斗は「え?」と声を漏らす。
「何か元気ないからさ。どうかしたのかなって思って」
「あのさ…俊介……」
この時がはじめてかもしれない。
渓斗のSOSを聞いたのは。
「…死にたいって思ったことあるか?」


