しばらく様子を伺うことにしよう。
「まぁ瑠花を連れ出せて良かったじゃん!」
そうフォローをする渓斗。
渓斗の発言に意味が分かっていなさそうな表情を瑠花はした。ふと渓斗の後ろを見るとあの人の存在があった。
「あれ?雅也くん…の?」
そう、それは百々花さんだった。
渓斗の背中に隠れて呼吸を落ち着かせていた。
「あ…俺のせい。俺が無理矢理引っ張っちゃったからだ。あそこに一人にするのも可哀想かなって。それに今雅也くんとは会わない方がいいと思ったし」
自ら自首をしたのは渓斗だ。
俺が「行くぞ」と言ったとき咄嗟に彼女の腕を掴んでいたらしい。
でも渓斗の判断に俺は賛成だ。
あのまま雅也くんに会ってもきっと彼女は突き放されると思うから。
「ご…ごめんね?勝手についてきちゃって…でもやっぱり若さには勝てないわ」
「いやいや!百々花さんだってまだまだ若いじゃん!」
「こんなに全力疾走したの5年ぶりくらいよ?」


