中学のときはきっと安心していたのだろう。
瑠花は恋愛に興味ないと思っていたから。
でも高校生になって焦り出した。
それはたぶん瑠花が「恋愛をしたい」と言ったからだ。
だからこんなにも狂ってしまったのだ。
「俊介!待てって!このままでいいのかよ!!」
「うるさいな。いいんだよ、俺は瑠花のことなんか知らない。雅也くんと勝手に付き合えば?どうぞご自由に」
「無機になるなって!!本当に帰るか分からないだろ!!」
早足になる俺に必死についてくる渓斗。
あと少しで校門に着く頃、俺の視界にある人の姿が映った。
見たことのない制服に身を包んだ女の子だった。
後ろ姿から分かるのは内巻きにされているサラサラな髪の毛と、ブレザーの制服。
白いカーディガンから見えるチェックのスカートが可愛かった。
しばらくその人を見ると、こちらを向いた。
色白でまん丸な瞳、頬がチークのせいかピンク色だった。
「あの…清水雅也くんって知っていますか?」


