やっぱり渓斗がみんなに注目されるのが分かる気がするよ。
でもなぜ女の子に興味ないのかな。不思議でたまらない。
「もしさ…この先俺たちに彼女が出来たら絶対ダブルデートしような?」
まだ見ぬ未来に…
残酷な夢を託したのは俺だった。
こう言うと渓斗から先ほどの笑顔は消え、固まった表情になった。
俺はそれに戸惑いを感じた。
何かに怯えるような…
でも瞳の奥で何かを訴えているようにも見えた。
「…渓斗?」
「できるかな、そんなこと…」
雲行きが怪しくなっていく。
さっきまではそれを見て癒されていたのに今ではグレーになっていた。
太陽が恥ずかしがったのか。
それとも渓斗の心の色を表しているのか。
今の俺には分からなかった。
個々で眠る闇を読み取ることができたのなら、もっとたくさんの人を救えたのではないかと思う。


