夜空に咲く僕たちの願い



自分でも分かってたよ。
ひどい顔してたこと。
きっとヤキモチが顔に滲み出てたんだろうな。



「もー訳分かんない。どうしたらいいの?瑠花は雅也くんと付き合ったりするのかな…」




「相変わらずお前は馬鹿だな。怖がってないで言えば楽になるのにさ。そうやってウジウジしてるから瑠花だって誰かのものになっちゃうよ」




全うな答えだった。
深く突き刺さった。
きっと俺だって頑張れば言えると思う。
言うことは簡単だ。
でも俺が恐れているのはその先だから。



本の匂いに包まれたこの空間が妙に落ち着いた。
窓から見える青い空とゆっくり流れる雲を見ていたら癒された。




「そろそろ…言うしかないよな…」




「そうだって。言わなきゃ何も始まらないしな。俺はずっと俊介の味方だからさ。安心しろよ」




渓斗は優しく笑って俺を見た。透明感のある彼の笑顔は涙を誘った。


俺はぐっと耐えて笑顔を作る。