翔太の女装話から変わり、内容は昨日のテレビ番組のことになっていた。
あの芸人のあの発言に笑えたとか、次第に話題は公開される映画になり、そして恋愛の話になった。
きっかけは翔太の一言だった。
「瑠花ちゃん、あの先輩とどうなったの?」
余計なことを聞くなよ…
俺はその話題に触れないようにしていたのに。
瑠花は飲んでいたミルクティーをアスファルトに置いて恥ずかしそうにこう言った。
「別に何にもなってないよ…ただメアド交換したくらいかな。雅也くん、高校生になるときにこっちにまた戻ってきたんだって」
そう瑠花が言うと俺と目があった。
先に視線を反らしたのは瑠花だった。
その行為に違和感があった。
もしかして雅也くんを好きになったってこと?
だから俺の顔が見れないってわけ?
いやいや…ありえないよ。
いくらなんでも急すぎる。
そんな時、屋上に繋がる一つのドアがゆっくりと開いた。


