夜空に咲く僕たちの願い



俺たちは昼休みは屋上で過ごすようになっていた。
理由は空を見たいから。
そう言い出したのは渓斗と翔太だった。
昼休みは瑠花と満里奈も一緒。そんな些細な時間でも瑠花と一緒にいられるのは幸せだった。

でも今日は違った。
俺の気持ちは急降下した。




「毎日思うけどさぁ、翔太の弁当って何でそんなに凝ってるわけ?」



購買で買ったクリームパンを頬張りながら翔太の弁当を見る。翔太の弁当は毎日すごいのだ。海苔で可愛く描かれたウサギやネコ、それにクマなどまるで動物園のような弁当なのだ。
しかもそれが毎日のように続いている。



「10個上の姉ちゃんがお弁当作るのが趣味なんだよね。自分の子供に作るついでに作ってくれてるんだ。それに姉ちゃんは可愛いものが大好きでさ。たまに女装とかされるよ」




「へぇ……ん?女装?」




一瞬、聞き間違いかと思った。翔太があまりにもいつもと同じ声のトーンで話すものだから聞き逃すところだった。