「満里奈、おはよう。どうかした?瑠花は?一緒じゃないの?」
「あ…うん、それがねぇ…」
満里奈はゆっくりとした口調で申し訳なさそうに言葉を並べていく。
俺はその言葉を聞いた瞬間、動きが止まった。
今さら…行動開始ですか?
「今ね、教室に清水先輩が来てるの…。瑠花ちゃんと喋ってて…あたしの居場所が無くて…」
徐々に弱くなっていく満里奈の声。
俺は何かの衝撃にぶち当たった。痛くもなかった。もう神経がイカれてしまったのか。
笑えるよ、こんな役立たずな体。
俺はそんな役立たずな体を無理矢理動かして瑠花の教室まで走った。
瑠花の心は誰に向いているの?
翔太の言った通りだよ。
チャンスはいくつもあるのにそれを見逃しているのはこの俺だ。
ううん…見逃してはないよ。
分かっているのにできないだけ。
チャンスを無視して苦しんでいるのはこの馬鹿な俺だよ。


