夜空に咲く僕たちの願い



翔太の言葉が深く心に突き刺さる。
そんなこと自分でも分かっていた。
前に散々渓斗に言われたし…
自分でも頑張ろうって思うけれどなかなか出来ないから未だにこんな状態なのだ。
最初から素直に言えたら俺はこんなに悩んでいないよ。




「行動ってなに?何をやればいいの?どうすればいいの?」




唇をヘの字にしていると翔太に「また無機になった」と笑われた。
翔太は熊太郎を外して眉間に皺寄せて、考える人の銅像によく似たポーズをする。




「例えば…さりげなく体に触るとか?」




「いや…それは痴漢でしょ」




「じゃあさりげなく見つめるとか?」




「たぶん瑠花に“何か用?”って怒られると思う」




頭の中にぽわんと瑠花の怒った姿が映し出された。
その瞬間背筋が凍ったような感覚になった。




「じゃあ手を握ったりは?いきなり何?って言われたら、こうしたかったって言いなよ。たぶん一発で落ちるから」