私は自販機でお茶のペットボトルを買う。


 蓮さまはシートに仰向けに転がり…陽に1円玉を翳していた。

 「気に入りました?」

 「ん、あ…貰っていいか??」

 「いいですよ~」

 「ありがとう…」

 たかが1円玉で…蓮さまはマジで喜んでいた。

 「……」

 蓮さまは体を起こして、私からお茶を受け取る。

 「1本??お前の分は?」

 「……お金が足りなくて…買えませんでいた…」

 「ふうん~じゃあ~口移しで飲ませてやろうか?」

 口移しって…!!?

 「……」

 蓮さまは頬を染める私の頬に手を伸ばす。

 私は慌てて、かわした。

 「お弁当食べましょう~蓮さま」


 「1円玉もらった礼だ…」


 「そんな礼…入りません!!」


 「遠慮すんな~」

 
 「してません!!」


 しばらく…必死の攻防が続く…。