「なんて卑劣な…」
うちは思わず呟いた。
「広季が殺されたくなければ早く別れなさいよ」
柑乃ちゃんはフッと笑った。
「広季と別れれば広季死なない?」
「あぁ」
「ホントだね?裏切ったらあんたら殺す」
うちはそう言って広季の元へ歩み寄った。
「広季…別れよ…?」
「お前っ本気!?」
「広季が死なないためにはこれしかないの…
大好きだから別れるの」
うちは涙が止まらなかった。
「……くっそ…抱きしめたいのに腕が…」
広季がもがく。だから代わりにうちが抱きしめた。
「大好き…広季」
「俺もだから…」
うちらは唇を強く重ねた。
今までにないくらい長く重ね合った。
「…っ」
広季との最後のキス…になるのかな…?
悲しかった。
「「バイバイ…」」
うちらは離れた。
「ちっ………ったく俺とキスする前に他の男とすんなよ」
和斗はそう言い、うちにキスした。
「…っ」
広季は目をつぶった。
「…ホントは舌入れようかと思ったけどまた今度にするよ」
「サイテー」
うちは和斗にパンッと平手打ちをして走った。

