「もうここには用は無い。出るぞ」 魏戎は火伏さんを見てそう言うと、それに火伏さんは頷きこちらに向かって走って来る。 「じゃ、お邪魔しました」 火伏せそう言って私達の近くに走り寄ると、土室さんに向かって小さく手を上げる。 「凪様!!」 彼の呼び掛けにそっと振り返ると、彼は私を見つめたまま……微かに笑った。