「意地悪しないであげなよ。……はい」 瑠愧は無表情のままそう言うと、コトンと火伏さんの前にお皿を置いた。 「サンキュ!」 そう言って火伏さんは満面の笑みを瑠愧に向けると、リビングに父が入って来るのが見えた。 「おはよう。皆、早起きだね」 父の挨拶に皆が小さく返事を返すと、父は静かに椅子に腰を下ろした。 美味しそうな朝食の香りに誘われる様に皆が席につくと同時に、廊下の先から魏戎が姿を現す。