「待って!!そんなに早く走れな……」 そう全てを言い終わるよりも早く、魏戎は私を抱き上げる。 「……ちょっ!?」 「ちゃんと掴まっていろ。落ちても拾ってやらないからな」 突然の事に思わず声を漏らすと、魏戎はニヤリと笑ってそう言い、私を抱き抱えたまま廊下を走り続けた。 お姫様抱っこと言う恥ずかしい格好のまま、魏戎は凄い速さで廊下を駆け抜けて行く。