「ではこれより票決を取る。今配った札に、火伏を罪に問う者は丸を、問わない者はバツを書け。時間は五分間。……始め」

朧源のその言葉と共に辺りに静寂が広がった。

シンと静まり返った室内で、誰かが筆を走らせる音が聞こえる。

その音に急かされる様にそっと目の前の筆に手を伸ばす。

……罪に問う者は丸、問わない者はバツ。

その言葉を反芻したままグッと筆を握ると、そっと木住野さんを見つめた。