「……本当だ。もう誰も居ませんね」 私と彼二人だけの教室はシンと静まり返り、廊下に響いていた生徒達の足音も今は聞こえない。 ……そんなに急いで帰ってどうする…… そこまで考えて、その答えが頭に浮かんだ。 ……そっか。 今日は火伏さんとお父さんの審議の日。 皆、その結果を待ち侘びているかの様に、足早にそれぞれの家へ帰って行った。