「こんな夜遅くに、どうなさったんですか?」 そう言って彩乃さんが首を傾げて見せる。 「い、いえ、ちょっと眠れなくて」 「それは大変ですね」 ポリポリと頭を掻きながら引き攣った笑みを返すと、彩乃さんは困った様に笑った。 ……よかった。 ……バレてないみたい。 ホッと安堵の息を漏らし、ヘラっと笑みを浮かべ続ける。